ひさしげ農園
ブランディングのしごと
DESIGN,EDIT,WRITING,PHOTOGRAPH … CM食堂
2022-
西予市三瓶町。柑橘農家「ひさしげ農園」では、オリジナル柑橘ジュースを製造販売している。ジュース用に栽培している柑橘は、甘みが強く、好評を博している。この柑橘ジュースに認知度を上げ、販促していくために、新たなオリジナル柑橘ジュースの商品ブランディングに取り組んだ。
パッケージデザイン
CREATIVE DIRECTOR
相原 泰典
GRAPHIC DESIGN
相原 泰典
ひさしげ農園の新しいプレミアムジュースブランド「TSUGUMI」のパッケージとして、180mlガラスボトルと720mlガラスボトルのラベルをデザイン。
原材料の違いをロゴ色で表現し、店頭で並べたときに、統一感がでるようにしている。
また、ラベルの上下を波形にし、形の面白さで特徴づけるとともに海の恵を受けた柑橘ジュースであることを彷彿させている。
(TSUGUMI 全商品イメージ:写真上)
・ラベルシール 180ml
陳列棚に並べたときにも美しく見えるように検証を重ね、180mlボトルは、表現面積の都合上、食品成分表示と一体化させたラベルとした。
(写真中央)
・ラベルシール 720ml
720mlボトルは商品ラベルと食品成分表示とを分けたデザインとした。
(写真下/左)
・封緘シール
キャップの部分には封緘としての役割を持つオリジナルシールをつくり、ここにひさしげ農園のロゴをあしらい、生産者が直接製造してるジュースであることをさりげなくアピールしている。
(写真下/中央)
・汎用シール
さまざまな包装資材に汎用で使えるシールをデザイン。配送用の段ボール箱や化粧箱、紙袋といった、包装資材は配送コストを抑えるために市販品を使用するため、TSUGUMIブランドのジュースであることを示すシールを作り、ブランドとしての統一感を醸成している。
(写真下/右)
パンフレット デザイン
CREATIVE DIRECTOR
相原 泰典
GRAPHIC DESIGN
相原 泰典
WRITING
河野はるな
今回、新しくブランディングしたプレミアムジュース「TSUGUMI」と従来のオリジナルジュース、2つのラインナップを掲げた商品パンフレットを制作。
生産者の顔が見えるよう、ひさしげ一家の写真を掲載し、園地で育った柑橘の写真もふんだんに載せた。
また、さまざまな柑橘を生産しているひさしげ農園の要望を汲んで柑橘の食べ頃カレンダーも掲載。どの時期でも、柑橘に興味を持ってもらえるようにとの配慮だ。
西予市三瓶町の地図をデザインに取り込み、地域の柑橘栽培がいっそう盛り上がるようにという願いも込めている。
ロゴデザイン
CREATIVE DIRECTOR
相原 泰典
PACKAGE DESIGN
相原 泰典
「甘みが強い!」と、ひさしげ農園のジュースを飲んだときに驚いた。この味わいであれば、甘いフルーツへの嗜好が強い首都圏に十分売り込んでいけると確信した。
そこで、ひさしげ農園の今までのジュースとは一線を画す、プレミアムジュースとして、高価格帯路線の商品群を作ることを提案。愛媛県の6次産業化補助金を受けるための提案書作成もサポートすることで、無事補助金を獲得し、費用を抑えながら安心してブランディングに取り組むことが可能となった。
新しい高級柑橘ジュースラインナップは、「継ぐ実」を意味する「TSUGUMI」と名付けられた。代々、農業を営んできた久重家が、柑橘栽培を次世代に継承するタイミングでもあった。
そこで、TUGUMIの商品ロゴとあわせて、さまざまなものに展開できるひさしげ農園のロゴを制作した。
TSUGUMIのロゴは、みかんの実とTSUGUMIの読みである「つぐみ」を一体化させ、原材料となる柑橘別に、ロゴの色合いを変えることで区別している。
果汁の搾り方も、より甘みの出る搾汁方法に変え、パッケージデザインも女性受けする、よりおしゃれなものを制作。
ブランディングの結果、首都圏からの引き合いが増え、愛媛県松野町のリゾートホテルのウェルカムドリンクとして採用されるなど、確実に販路が広がっている。
また、愛媛県が主催する「みかんジュースコンクール2023」において、ジュースの味やボトルのデザインなどが評価され、「SILVER AWARD」を受賞した。